単調性
消費計画\(a,b(a\leq b)\)では\(a\precsim b\)が成り立つ
強い単調性
消費計画\(a,b\)が\(a\leq b, a\neq b\)ならば\(a\prec b\)が成り立つ
消費計画\(a,b(a\leq b)\)では\(a\precsim b\)が成り立つ
強い単調性
消費計画\(a,b\)が\(a\leq b, a\neq b\)ならば\(a\prec b\)が成り立つ
コトバで書くと理解しやすいことではあります。この選好は理論的な基礎なのでこのようにしっかり数式で記述しますが、分かりにくければコトバによる説明に頼っても問題ないと思います。
単調性
すべての財の消費量を増やした消費計画の方が好ましい
強い単調性
どれか一つでも消費量が増えるならその方がいい
つまり、どんなものでもないよりはあるほうがいい
すべての財の消費量を増やした消費計画の方が好ましい
強い単調性
どれか一つでも消費量が増えるならその方がいい
つまり、どんなものでもないよりはあるほうがいい
コトバで書くといいことを言っているような錯覚に陥りますね(笑)
ここで「なかには部屋が狭いしお金もないから、とかでどんなものでもあればいいってわけじゃない。この仮定は妥当でない。」という反論があるかもしれません。しかし、この反論は単調性の仮定を誤っています。式を見れば明らかですが、単調性で必ず好まれる消費計画\(b\)は\(a\)よりもなにか一つでも消費が少なくなってはなりません(必要条件、十分条件をしっかり押さえて勘違いの無いよう!)。もちろん、「部屋の広さ」とか「お金」という財も減ってはいけません。ここは意外に勘違いも多いので注意してください。
そういう意味では資源の希少性がないような世界で十分に発揮される性質ともいえるかもしれません…。
この単調性が保証する二つの系をチェックします
(1) のちに習うことですが、\(\frac{\partial u}{\partial x_i}>0\)を保証するのがこの単調性です。
(2) もう一つは、選好の局所非飽和性。これは簡単にいうと「人間の欲望には際限がない」ということです。今回はやけに哲学的な雰囲気もありますね(笑)
数式で書くと、
\(\forall x,\exists x' \in S,\ \forall \epsilon>0 \Rightarrow |x'-x|<\epsilon \)
と激しくなるのでミクロ経済学に最初の一歩を踏み出す人にはなかなか見せるべきものじゃないですけどね。実数の稠密性の議論に似ている、随分抽象的なものです。
「どんな消費計画でもその近くにもっといい消費計画がある」という意味の数式になっています。だから、人間の欲求を満足させることはできない、ということになっています。
単純に哲学を説く時にいうような性質ではなく、これは後に完全競争市場による結果以上に効率的な政策はないなど経済学の神秘といえるさまざまな定理を証明するときに使えます。初級レベルをすでに超えていますが、すごく面白い仮定なんですよ!
もくじ
(1) 選好と効用
(2) 行動原理代替効果
自己代替効果
@所得効果
@スルツキー分解
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(2) 行動原理
- 経済学でのベクトルと内積
- 予算制約式
- 効用最大化問題
- 費用最小化問題
- 双対性
- 偏微分
- 全微分
- 限界代替率
- 限界代替率と価格比
- 【例題】線形効用関数の限界代替率
- 限界効用均等の条件(ゴッセンの第二法則)
- 補償需要関数