これまでは合成関数の微分公式を説明しました。複雑な合成関数もそれぞれの微分をえられればカンタンに得られます。さらに実践的に、自分で合成関数を仕立てて微分する置換微分のテクニックを使えば、さらに世界が広がります。


まずは一般の流れから。
(1) 簡単に微分できる関数の形を見つけて文字を置く(置換する)
  ※このとき文字を\(x\)をなくしきることが重要
(2) それぞれの微分をもとめる
(3) もとの関数の微分に戻す

これだけだと?な感じなので具体例でチェックしていきます。
問題:\(f(x)=(\log x)^3\)の微分を求めよ。

(1)
まず目立つ\(\log x\)は簡単に微分できます。\((\log x)'=\frac{1}{x}\)でした。これを\(y\)とおいてみます。
\(f(x)=y^3\)となり、\(x\)を消去しきって簡単に微分できるようになっています。

(2)
微分の公式を適用してそれぞれの微分を求めます。。
\(\frac{dy}{dx}=\frac{1}{x},\frac{df}{dy}=3y^2\)ですね。

(3)
\(\frac{df}{dx}=\frac{df}{dy}\frac{dy}{dx}\)に代入すると、
\(\frac{df}{dx}=\frac{3y^2}{x}=\frac{3(\log x)^2}{x}\)

できました。

ごれを微分の定義をつかって
\(\lim_{a \to 0} \farc{(\log (x+a))^3-(\log x)^3}{a}\)
を解こうもんなら随分と骨が折れる作業になります。もちろん可能ですが。これを解いて置換微分のメリットを実感するのもアリでしょう。

覚えやすい形をした公式なのでぜんぜん覚えられない!忘れた!ってことはないと思いますが、実際に公式を運用するのと覚えるのとではほんの少しですが具合が違います。その辺を意識してぜひに例題を活用してください。

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