コブ=ダグラス型効用関数(2財)
\(u(x_1,x_2)=x_1 ^a x_2 ^b\)
\(u(x_1,x_2)=x_1 ^a x_2 ^b\)
このようにべき乗をかけあわせる形の関数は経済学では経済学者カールズ=コブと数学者ポール=ダグラスにちなんでコブ=ダグラス型の関数といいます。他にはコブ=ダグラス型生産関数が有名です。
一般的な\(n\)財でのコブ=ダグラス型効用関数は慣れない総乗(product)を使って表します。
\(u(x)=\prod_{i=1}^n x_i^{a_i}\)
(\(x\):消費計画)
(\(x\):消費計画)
総乗は\(i\)を1から\(n\)まで動かしながら全部かけあわせる、という意味です。\(n=2\)なら上の2財の効用関数になることを確認しておいてください。
線形効用関数は非常に簡単な形をしていますが、教科書的にはもう少し複雑なコブ=ダグラス型効用関数のほうがずっとポピュラーです。逃げるわけにはいきません。頑張ってコブ=ダグラス型関数を征服しましょう!
コブ=ダグラス型効用関数の限界代替率は以下のように与えられる
\(\frac{dx_2}{dx_1}=-\frac{bx_1}{ax_2}\)
\(\frac{dx_2}{dx_1}=-\frac{bx_1}{ax_2}\)
効用が2財のコブ=ダグラス型効用関数で与えられる人の需要関数は、線形の予算制約のもとでは以下の式で与えられる。
\(x_1=\frac{aI}{(a+b)p_1}\)
\(x_2=\frac{bI}{(a+b)p_2}\)
\(x_1=\frac{aI}{(a+b)p_1}\)
\(x_2=\frac{bI}{(a+b)p_2}\)
証明は…例題にまわします。
便利な定理なので簡単に導けるように慣れておくべきでしょう。
また、コブ=ダグラス型効用関数では\(a+b=1\)とすることもあります。先ほどちらと話題にした研究の際に割合を考えるパターンでつかう手法です。
この時の需要関数は先ほどの定理から
\(x_1=\frac{aI}{p_1}\)
\(x_2=\frac{bI}{p_2}\)
となり、非常にすっきりした形になります。
もくじ
(1) 選好と効用
(2) 行動原理代替効果
自己代替効果
@所得効果
@スルツキー分解
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(2) 行動原理
- 経済学でのベクトルと内積
- 予算制約式
- 効用最大化問題
- 費用最小化問題
- 双対性
- 偏微分
- 全微分
- 限界代替率
- 限界代替率と価格比
- 【例題】線形効用関数の限界代替率
- 限界効用均等の条件(ゴッセンの第二法則)
- 補償需要関数